きみが、死んでも残る花【アナザーカントリー】

イギリス!男子寮!制服!!

オタクみんな大好きなシチュエーションの舞台に推しが主演で立てる喜びは計り知れません(主語デカ)。この気持ちを共有したいのに、あそこのあのシーンめちゃくちゃいいよね!って話がしたいのに、オタクがいない。(友だちみんな別グルのオタクのため踏み込んだ話ができなかった)そんな私は夜な夜なアナザーカントリーの考察を漁るほど読んではめちゃくちゃ頭振ってた。

 

遅ればせながらこれはオタクによるアナカン期間の記憶の備忘録と感想文です。ほぼツイッターで呟いた文章を膨らませただけだし、役については過去の私がふせったーにまとめてくれているのでそちらを読んだ方が早いです。ここで記述することは狂ったポイントの抜粋だと思って読んでください。

 

ふせったー

https://fusetter.com/tw/jREK28oY#all

 

 

・顔のいいキャスト陣

これなんですよ。とにかくキャストの顔がいい。みんな特権階級の坊ちゃんのお顔をしている。舞台上でのシリアスなやりとりとは真逆で裏ではみんな仲良し。Twitterに毎日写真あげてくれてありがとう。かわいい。ジャニーズも他の俳優さんのSNSに載っていい環境が整ってくれればな〜と何度思ったかわからないくらいみんなわちゃわちゃしている。本当の男子校みたいな雰囲気を感じました。アナカンを通じて繋がったフォロワーさんたちは日を追う事に俳優さんの沼に引きずり込まれていた。俳優さんに関しては、上演前から布教を含めた説明をバイト先(社員含めみんななにかしらのオタク)で受けたため、後方彼氏面ムーブをかますことができました。「この子菅田(将暉)の後輩です」と説明してくれたバイト先のトップコートのオタクのお姉さんと「たわちゃんかわいいですよ〜」と布教してくれた店長さん本当にありがとうございました。

 

・狂ってる推しを見るのが大好き

大好きです。(ダイスキデス)川島如恵留さんの狂気に年がら年中狂ってたオタクなので、一回目見に行った時心の中で手叩いた。大好きなんですけど、めちゃくちゃ辛いんですよ。初めて見た時辛くて涙零してた。狂気とか、バークレイの真似をする時の1度だけ到達するテンションの高さとか、直後の舞台のセットを蹴る時の憎しみの籠った表情とか、回を重ねる事に和田くんの中のベネットが大きくなっていくような気がした。特にバークレイの真似をした直後の蹴るシーン、あれ東京公演では1回ズンと蹴るだけ(ニュアンスとして反抗期の少年少女が家の壁蹴るのに近い)だったのに、大阪公演では3回に増えていて、怒りのはけ口を求めているベネットから目を逸らしたくなったし、見ることができない日もあった。数回ベネットの俯いているお顔がのぞきこめる席に入ったんだけど、黙って下を向いている時の表情が苦しさに溢れていて喉が締め付けられた。握った拳も震えていて、全身で怒りを表現していた。このシーンが動ならば、次のジャットが資本論を渡すシーンは静の部分かな。赤い照明が付いていたけど、ベネット本人は静かな青い炎を灯しているイメージ。嵐の前の静けさの余韻を残しながら終わることで未来を観客に委ねているのかなとも思った。(映画版では結末まで描かれているけど)ベネットは全てを投げ出して復讐に走る人間の目をしていた。全て投げ出せる人っていちばん強いんですよね。守るものを捨てているから。fin.

 

・金髪と諸々立ち姿とか

ネットニュースのサムネイルでひっくり返った。こんなの風紀乱すしかないじゃん。涙ボクロがいつもの200%効果を発揮している。舞台上でも重々しいベルの音と荘厳な国家とは裏腹に明るい軽いふわふわの髪が目立っていた。今更ベネットの髪型が1人だけふわふわしてたのも規律を重んじる校風と相反しているなと思ったり思わなかったり。他のキャストの方は髪色落ち着いているなと思ったり。考察が捗る。ポケットに片手を入れて気だるそうな立ち方も、ネクタイをゆるめる手も一挙手一投足がベネット自身で、和田くんはベネットに身体を貸しているんじゃないかな?と思う所作がところどころあった。それくらい役に馴染んでいたし、彼自身が本当にベネットだった。

 

・少数派の排斥と最大多数の最大幸福

共産主義に酔倒するジャットのセリフの中で最大多数の最大幸福という言葉が何回が登場する。ベンサムの言葉を引用するなんて愛国心があるね〜とにやにやした。最大多数の最大幸福とは言葉の通りだけど、この言葉の通り実行したのがメンジース。彼は学内において少数派である同性愛者、共産主義者軍国主義者のベネット、ジャット、ファウラーを排斥することで最大多数の最大幸福を達成した。これにはジャットの心をへし折る力があると私は考えている。自分が唱えていた言葉はただの幻で、最大幸福を叶える側だと信じていたジャットが実は寮の中で排斥される人間に回っていたというめちゃくちゃな皮肉。これとは別に(たぶん)メンジースがジャットに「俺の下で〜」って言うシーンがあって、初めて聞いた時うわ!!性格悪!!って思った。褒めてます。平等を掲げるジャットにとっての最大の地雷である格差をジャットの『友人』であるメンジースが正面から踏み付けていて私がひやひやした。と同時に、メンジースはやっぱり友人ではなかったのかなと思う。それなのに最後ベネットとジャットに向かって「喧嘩はやめよう」って☺️この顔で諭すから振り切ってて最高〜!!!ってスタオベしたくなった。喧嘩ふっかけたのはあなたです。メンジースから見てもジャットは駒の1人に過ぎなくて、上手く利用されてしまったのかな。つらい。

 

・一級品と二級品の愛

「愛には一級品と二級品が存在する」ベネットのこの言葉がズーンと残って、今まで向けた愛は全て等しい重さで等しい価値だったかなと省みる機会になりました。同性愛は二級品として扱われている現状を嘆くシーン。愛は尊いものだと信じているけれど、本当にそうなの?本当に平等?愛を向けられたら全てにおいてにっこり笑ってありがとうって言える?気持ち悪い、って言わない?そうやって問いかけられている気がした。自身の愛は二級品なのかもしれないと思いながら暮らすことがどれだけしんどいものか私には想像もできない。遊びだと自身を偽りながらハーコートに恋をした時の気持ちはどうだったんだろう。酔っ払いながら「恋をして〜いる〜!」とおちゃらけていたベネットの本当の顔が見え隠れして切なくなった。

 

・台に乗る行為

舞台のセットは一段高くなっている長方形のステージと、四角い台(これは椅子だったり荷物だったりするから一概になにとは言えない。立方体だったり直方体だったり、高さもまちまちな台)、途中のシーンだけで登場する円柱の台(これはテーブルとして用いられていた)と出入口の役割を果たす門しかない。とてもシンプルな舞台セット。誰かの考察ブログに、台に登ることは上に立つことを示しているという内容が書かれていて(曖昧です)、後日見に行ったら綺麗に昇り降りするからめちゃくちゃ興奮した。話しているだけでは見えない地位が台に乗るという行為で明確になる。軍国主義者でベネットを目の敵にしているファウラーも台に乗るな的なことを話していたな。何回か舞台を見て感じたことは、この台に乗る行為の前段階として一段高いステージから少しの上下関係があったのかな。と思った。特に印象的だったのはジャットと年長者の雑用係を任されているウォートンのシーン。ウォートンが段に登るシーンは私の記憶の限りないと思っているんだけど、同じ目線までジャットが下りてウォートンと話すシーンからジャットの無下に扱わない優しさを感じてきゅんとした。みんな惚れる。(ジャットの法則)あとはメンジースがベネットにただの監督生になることを告げるシーン。メンジースがベネットの足を足で払うところ、同じ位置に立とうとするなという圧を感じて怖かった。あのシーンのメンジース目が笑っていないし瞳に光は入っていないし、物腰は柔かいけど有無を言わせない感じ、これからの学校運営に必要な事だし、すごく怖くてすごく素敵なシーンで大好き。

 

・イメソン

公演期間中いろんな曲を漁ってはベネットとジャットに当てはめておセンチな気持ちになっていました。みなさんの思うアナカンイメソンがあればこっそりマシュマロで教えてください。私の思うイメソンはSaucy Dogの結です。

 

・カーテンコールの挨拶

短時間だからこそ突発的に起こって、オタクを置いていくのがアナカンのカーテンコールです。舞台上であんなにイケイケだったのに、カーテンコールで照れながら手繋がないで、、私の7月1日のツイートを見れば荒ぶりがわかります。

 

・最後に

改めてアナザーカントリーの感想を書いてみて思ったことは、このままずっとアナカンに狂わされるんだなってことです!!!ありがとうございました!!!!舞台期間中にオタクたちを狂わせてくれてありがとう!!!この夏を抱えて一生生きて生きます!!ジャットさん!!!!

 

 

以下アナザーカントリーを連想した詩の引用です。𝑳‌𝑶‌𝑽‌𝑬

 

日差しの中で、ぼくは自分をフィクションにしたくて誰かに恋をしてほしいと思った、現実なんてどこにもないのに、ゆいいつ本当な木漏れ日がずっとふるえて足元で呼吸をしている。嘘をつかない人間が好きだと言うけれど、嘘をつかないで身を滅ぼした人間を救う気なんて、きみには微塵もない。(最果タヒ 冬と昔より引用)

 

誰かと恋しているのを、絵にして部屋に飾りたい。

それ以上何もいらないと本気で思っている。

悲しみや寂しさがある人間を綺麗だという人達が滅んだ後で、

ぼくは唯一咲いた薔薇の花になる。

誰にも、捧げない。誰も、ぼくを捧げない。

ぼくはあなたが好きだった。(最果タヒ 春の薔薇より引用)

 

絶望を覆すことができない恋を正義とせよ、きみが、死んでも残る花(最果タヒ 絶滅より引用)